親族を支えるあなたへ。障害者控除のキホンと2025年からの注意点

「年末調整の季節がきたけど、控除って難しくてよくわからないな…」そう思っている方も多いのではないでしょうか?

特に、ご家族に障害のある方がいる場合、「障害者控除」をしっかり適用できるかどうかで、税金の負担は大きく変わってきます。

この控除は、納税者本人や扶養親族に障害がある場合に受けられる大切な優遇措置です。

今回は、この障害者控除の基本的な仕組みから、誰が対象になるのか、そして2025年の年末調整から新たに定義される特定親族に関する重要な注意点までわかりやすく解説していきます。

障害者控除の「キホン」と節税効果

所得税の障害者控除とは、納税者自身や、生計を一にする配偶者、扶養親族に「障害者」に該当する方がいる場合に、一定の金額を所得金額から差し引ける(控除できる)制度のことです。

所得税や住民税を計算する際に、課税されるもととなる所得を減らすことができるので、結果的に税金が安くなる、というわけです。

控除額は、障害の程度によって3種類に分かれています。

種類控除額(所得税)どんな人が対象か
障害者27万円一般的な障害者の方
特別障害者40万円障害の程度が重い方(重度の障害者など)
同居特別障害者75万円特別障害者で、納税者や配偶者と同居している方

控除を受けるには、年末調整や確定申告で、障害者手帳などの証明書類を提出する必要があります。

所得税率をかけることで、実際の税金の軽減額がわかります。

例えば、所得税率20%の人が障害者控除(27万円)を受けると、5万4千円(27万円×20%)税金が安くなるイメージです。

どんな人が障害者として認められるのか

障害者控除の対象となる障害者の定義は、納税者本人・同一生計配偶者・扶養親族のうち、主に以下のいずれかに当てはまる方です。

  1. 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある人
  2. 精神保健指定医などにより知的障害者と判定された方
  3. 身体障害者手帳を持っている人
  4. 精神障害者保健福祉手帳を持っている人
  5. 戦傷病者手帳を持っている人
  6. 原子爆弾被爆者の認定を受けている人
  7. いつも就床していて、複雑な介護を受けなければならない方
  8. 65歳以上で、市町村長などの認定を受けている人(要介護認定とは別です)

手帳を持っていれば、手帳の種類や等級に応じて障害者または特別障害者に該当しますので手帳の有無は重要です。

もし手帳がなくても、いわゆる寝たきり状態であったり、上記の65歳以上の方のように、市町村長の認定を受ければ対象になるケースもあります。

「うちの親族は手帳を持っていないから無理だ」と諦めず、65歳以上の方は市区町村の窓口に相談してみると良いかもしれません。

障害者控除の適用は、その方の生活を支える上で欠かせないサポートですから、しっかりと確認しましょう。

特別障害者と同居特別障害者

特別障害者と同居特別障害者とはどんな方が該当するのか、もう少し掘り下げてみましょう。

特別障害者とは、先に挙げた障害者の中でも、特に障害の程度が重い方のことです。

具体的には、重度の身体障害者や重度の知的障害者などが該当し、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある人やいつも就床していて、複雑な介護を受けなければならない方も対象になります。

税法上の特別障害者の範囲は、国税庁のサイトなどで確認できますが、身体障害者手帳でいうと1級・2級、療育手帳でいうと最重度・重度の方などがこれにあたります。

国税庁 タックスアンサー No.1160 障害者控除

そして、最も控除額が大きいのが同居特別障害者です。

これは、特別障害者である親族が、納税者本人またはその配偶者・その納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている場合に限って適用されます。

ここで言う同居は、一時的な入院などは除いて、一つの家屋に住んでいる状態を指します。

注意点

2025年(令和7年)の年末調整から、特定親族特別控除が創設されました。

ここでいう特定親族とは、「居住者と生計を一緒にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人」を指します。
(配偶者、青色事業専従者、白色事業専従者を除き、里子を含む。)

この特定親族は、今回の税制改正で創設された特定親族特別控除(最大63万円)の対象となりますが、従来の扶養親族とは別物になります。

そのため扶養親族を対象にしていた障害者控除は、この特定親族には適用できませんので注意が必要です。

特に、アルバイトなどで収入がある大学生のお子さん(19歳~23歳)が障害者手帳をお持ちの場合などは障害者控除が適用できるかどうか、十分に確認しましょう。

逆に扶養控除の対象とならない16歳未満の扶養親族の方が障害者である場合には障害者控除の適用が受けられます。

扶養控除を受けていることが障害者控除を受ける要件と思い違いをしていると、控除漏れとなってしまいますのでこちらも十分に注意しましょう。

まとめ

今回は、所得税の障害者控除について、その概要から適用上の注意点まで解説しました。

障害者控除は、納税者やその家族にとって税負担を軽減するための非常に大切な制度です。

しかし、2025年の改正により創設された特定親族は障害者控除の対象とはならないなど注意しなければならない点もあります。

確定申告で障害者控除を適用できるかご不明な方は、お気軽にお問い合わせください。

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