安物買いの銭失いを防ぐ!形のないサービスの選び方

コンサルティングやシステム開発、そして我々税理士の業務もそうですが、形のない無形サービスを購入するのは本当に骨が折れます。

製品のように手に取って品質を確かめられないため、つい価格の安さだけで判断してしまいがちです。

しかし、中身が見えないからこそ、選び方を間違えると期待した成果が得られないばかりか、余計なコストが発生するリスクも潜んでいます。

今回は、満足感のある意思決定ために注意すべきポイントを整理しました。

複数の視点で価値を測る

価格以外の多角的なフィルターを持つことが、失敗を防ぐ第一歩です。

まず注目したいのは実績と信頼性です。

単に有名なだけでなく、自社と似たような課題を過去にどう解決してきたかという具体例を確認しましょう。

自社の抱えている問題が解決できるイメージが湧くかどうかが大事なポイントになります。

次に欠かせないのが、コミュニケーションの質です。

質問に対するレスポンスの速さはもちろん、こちらの意図をどこまで深く汲み取ってくれるか。

誠実な対応が期待できるかどうかは、契約後のストレスを左右する大きな要因になります。

また、アフターフォローの範囲も重要です。

サービスを提供して終わりではなく、その後の運用をどこまで支えてくれるのか。

これらの要素を総合的に判断することで、ようやくその価格が適正かどうかが見えてきます。

顧客側のリテラシーが重要

無形サービスにおいて、最も危険なのは「プロだからお任せします」と丸投げしてしまう姿勢です。

提供されるサービスの良し悪しを判断する軸が自分の中にないと、表面的な「それっぽさ」に騙されてしまうからです。

例えば会計の世界では、クラウドソフトの普及により、一見すると綺麗に整った帳簿が誰でも簡単に作れるようになりました。

しかし、これはソフト側の問題ではなく、それを利用する側が正しい帳簿を作成するスキルを持ち合わせていないことに本質的な問題があります。

中身がデタラメな数字では、経営判断の材料としては到底役に立ちません。

また、税理士が関与していれば安心かというと、必ずしもそう言い切れないのが難しいところです。

会社側は「プロが直してくれているはず」と思い、税理士側は「会社から提出された数字は正しいはず」と、互いの認識に致命的な齟齬が生じているケースがあるからです。

結果として、間違ったままの帳簿が放置されてしまうリスクは否定できません。

こうした「形だけの成果物」の怖さは、経営者が異常に気づけないまま、じわじわと資金繰りを圧迫し、最悪の場合は倒産にまで追い込まれる点にあります。

サービスを使いこなす側が「何が正しい状態で、自社に何が必要か」を正しく理解しようとする姿勢こそが重要です。

価格交渉(条件提示)

単なる値切りは、提供側のモチベーションを下げ、サービスの質を低下させる原因になります。

価格交渉するにあたり取引できる条件を持てるようにしましょう。

交渉の切り口として、例えば作業範囲の調整が挙げられます。

「この事務作業はこちらで巻き取るので、その分を調整できませんか?」といった提案は価格調整の余地が生まれます。

また、納期を緩和して相手の閑散期に作業を依頼する、あるいは実績公開の許可を出す代わりにモニター価格を適用してもらうといった方法もあります。

継続的な契約を前提に月単価を下げてもらうのも一つの手です。

お互いにとってメリットのある条件を提示することで、自社にとって満足できる質を維持したまま、コストを最適化することが可能になります。

リスク管理も選定基準のひとつ

無形サービスには、目に見えないからこそ特有のリスクが伴います。

担当者の交代によって急にレスポンスが悪くなったり、契約内容が曖昧なために予期せぬ追加料金が発生したりといったケースです。

こうしたリスクを避けるためには、契約前にあえて踏み込んだ確認をしておく必要があります。

トラブル時の対応窓口、中途解約の条件、成果物の所有権など、少し聞きにくい部分こそ明確にしておきましょう。

後から不備が発覚して修正ややり直しにかかるコストは、最初から丁寧に進めるコストよりも遥かに高くつきます。

リスクをあらかじめ想定し、それをカバーできる体制が整っている相手を選ぶことは、一種の保険料を払っているのと同じくらい価値のある判断といえます。

無形サービスを「投資」と捉える

支払いが発生する以上、どうしてもコストとしての側面が目につきますが、本来は将来の利益を生むための投資であるべきです。

そのサービスを導入することで、自社の業務がどれだけ効率化され、どれだけの機会損失を防げるのかという視点を持ちましょう。

例えば、質の高い専門家の助言を得ることで、社内で何ヶ月も悩んでいた課題が数日で解決し、浮いた時間を本業の売上向上に充てられるかもしれません。

「サービスを利用して終わり」ではなく、その対価として得られる知見や仕組みをどう自社の資産に変えていくかまでを事前に検討しましょう。

まとめ

無形サービスの購入は、単なる買い物ではなく、共に価値を作り上げるプロセスです。

自分たちのリテラシーを高め、適切な条件を提示しながら対等に交渉することで、お互いに満足のいく取引となります。

当事務所では、顧問契約をご検討中の方を対象に初回面談を無料で実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

\ 最新情報をチェック /